デジタルという麻薬 | ドクター・ギブソンのブログ - ネオセルプラス|脳への必須栄養素ト

デジタルという麻薬 | ドクター・ギブソンのブログ

電子機器の使い過ぎは
子どもの脳の発達にダメージを与えます

By: Dr. Robert Gibson

スマホやタブレット、
パソコンを長時間使う「デジタル中毒」は、
子どもや青少年の脳の発達に影響し
ダメージを与えるということが
神経画像を用いた研究により分かっています。


使用時間を制限した方が良いことを
多くの親は知っていますが、
こうした文化を受け入れることが
そんなに悪いことなのかと疑問を抱いたり、
もう現実を変えるのは
難しいので仕方がないと考えています。

しかし、私がこれからお伝えすることについて
考えてみてください。

最初は子どもとの軋轢が生じるかもしれませんが、
神経障害を起こす可能性があるという真実を盾に
成長過程にある子どもの脳を守ってください。

デジタル中毒は、
脳の成長
構造
機能
に変化を与えることが明らかになっています。

この変化とは
人間関係を維持する能力
注意力
判断力
管理能力
学習
認知
などを司る脳の領域に起こります。

子どもたちは、
スマホ、タブレット、ゲーム機といった電子機器を
1日7時間以上使っていると言われています。

中毒になっていなくても、
画面を見ている時間の長さが問題であり、
脳にダメージを与えます。

医者として私は、
神経システムの興奮、
感覚への過度の負荷のため
疲れが取れる
質の良い睡眠が取れていないお子さんを多数診てきました。

こうした子どもたちは気分が優れず、
衝動的で注意力散漫になっていきます。

その他の症状には、
怒りや問題行動、
学習や発達の遅れまで様々なものがあります。

もしこうした状況が続けば、
アレルギーや免疫システムが
虚弱になるなどの肉体的な症状も出てきます。

デジタル中毒により、
脳の灰白質の萎縮が起きるという研究があります。

灰白質とは、
中枢神経系の中で
神経細胞(ニューロン)の細胞体が集まった組織であり、
萎縮とは脳組織が縮み、失われることです。

最も影響を受けるのは前頭葉ですが、
ここは優先順位を決め、
計画を立て、
衝動を抑えるといった
重要な実行機能を司る場所です。

大脳基底核の主要な構成要素である
線条体の損傷も見られますが、
ここは欲求が満たされたときに
快の感覚を与える報酬系と呼ばれる神経系を含み、
またマナーや反社会的な行動をコントロールします。

社会に深く関係し、
私たち皆が考えなければいけないのは、
脳の「島」という領域へのダメージです。

島とは前頭葉、側頭葉、頭頂葉、基底核に囲まれた領域で、
他者への思いやり、共感、体の動きやサインを
読み取る能力を司りますが、
ここを損傷されると
暴力や反社会的行動に直接的に関係し、
人間関係を深めることができなくなる場合があります。

現代社会の仕組みは
精神的に安定した大人が支えているものですが、
それは脳のこの部分が司っています。

私たち大人は、
将来を託す子どもたちに何をしているのでしょう。

さらに、脳の白質の統合性を失うということが
画像診断により明らかになっています。

白質の損傷は、
脳内のネットワーク機能を失うことを意味します。

脳内ネットワークの破壊は、
右脳と左脳の接続性の障害と関係します。

また認知を司る上部脳と
感情や直感を司る下部脳のネットワークも失われます。

白質は脳から体へ、
また体から脳へと情報などを伝える働きをします。

ここに障害があれば、
たとえば体の抹消で捉えた「痛い」という
感覚情報が大脳皮質に伝わらなくなり、
また大脳皮質が指令する運動情報が
筋に伝わらなくなれば麻痺が起こります。

脳は体の全てを司っていることを忘れないでください。

脳が機能不全になったとき全てが危険にさらされます。

脳表面の皮質が薄くなっていることに
焦点をあてた研究者もいます。

これは認知行動に障害を起こします。

衝動的行為の抑制と
情報を能率よく処理する能力に問題が起きます。

また電子機器を使うことで
ドーパミンの出方に問題が起こることが、
デジタル中毒のひとつの原因です。

スマホやゲームに接しないと離脱症状が出たり、
ドーパミン機能の障害が起こることがあります。

脳が変化しドーパミン受容体が減少するという、
まさに麻薬中毒患者と似たことが観察されます。

電子機器の使い過ぎは
脳の発達、構造、機能を損ないます。

ダメージの多くは前頭葉に起きますが、
ここは出生時から思春期まで最も傷付きやすい場所です。

前頭葉の健康は、
感情的な落ち着き、学業、仕事、人間関係など、
人生のあらゆる大切な部分に関わっています。

今回お送りした情報が
子どもたちの電子機器に触れる時間を減らし、
脳を守る助けになれば幸いです。